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完全版?それとも…「NO MORE HEROES-RED ZONE Edition-」管理人レビュー



国内外にコアなファンを持ち、決して一般ウケしないながらも数々の作品で一定の評価を得ているゲームクリエイター"須田剛一"
その須田氏が、過去の作品の中で一番カジュアル寄りで作ったシリーズがこの「ノーモア★ヒーローズ」です。
wiiで1作目が発売されてから数年後、シリーズ1作目がHD機に移植されて発売された訳ですが、
数多くの不具合や異常に長いロードなどで散々な評価を得てしまった"ノーモア★ヒーローズ -英雄たちの楽園-"
そんな今作の海外発売権をKONAMIが獲得し、"AQインタラクティヴ"の手で作り直した海外版を日本向けにローカライズし直したのが
今作"ノーモア★ヒーローズ -レッドゾーンエディション-"です。
数々の不満点を抱えた前移植からどれだけ改善されたのか、レビューしていきたいと思います。

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まず初めに…。
今回のレビューはほとんどが前回の"英雄たちの楽園"(以下"英雄")の時と同じ様な内容になるかと思います。

1.グラフィック

以前の"英雄"レビューの時にも言いましたが、今作はwiiで発売された作品をHD機向けに手を加えて移植したタイトルです。
なので基礎部分は前世代のモデリングが使われており、HD作品に見慣れている人には物足りない出来かと思います(街並みは特に顕著)。
とはいえ、一応"英雄"に比べてテクスチャの解像度が4倍に変更されており、テクスチャだけ見ればまだマシなレベルになった気もします。

さて、ノーモアに限らず"グラスホッパーマニュファクチュア"(以下"GhM"、オリジナル版の開発元)のゲームの大半は前回のレビューでも述べた様に、
独特のシェーディング効果をもたらす通称"須田シェーダー"が使用されており、印象的な陰影効果が見られます。
特徴としては光と影の差がハッキリしたビジュアルで、所謂"アメコミ"に似たグラフィックになっています。
これらの処理は"Killer7"などのGhMのオリジナルタイトルだけでなく、"Blood+"など版権作品でも使われており、
「GhMが制作した作品」、という一番分かり易い特徴の1つと言えるのではないかと思います。

話を戻して、グラフィックの話。
先も述べましたが、今作ではテクスチャ解像度が4倍になり、前作"英雄"に比べると全体的に綺麗にはなっています。
とはいえ、やはりwii版が基なだけにHDタイトルの平均より少し下…ぐらいでしょうか。
戦闘パートのグラフィックは結構いいのですが、箱庭パートはやはりインファマス2などやった後だと街のサイズも作り込みも残念。
キャラクターのグラフィックなどは良いだけに、そこでプラスマイナスゼロ、という感じでしょうか。
wiiからの移植なので仕方ないのですが…勿体無い。

尚、今作では海外版により近い表現に変更されており、敵が真っ二つになる場面は日常茶飯事。
前作までは灰になって消えていただけに、この辺りは好みがハッキリ分かれそうです。

no-more-heroes-heroes-paradise0001.jpg
他には無い陰影効果が特徴のグラフィック。

no-more-heroes-heroes-paradise-20100819110033620.jpg
血も酷い時はこんなものではありません。

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グラフィックは7.5/10
テクスチャ解像度で綺麗になった部分も多いですが、やはり基本は"英雄"とあまり変わらず。

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2.ゲームシステム

基本的な部分は前作のレビューを見て頂けると幸いです。

さて、なんといっても今作の最大のポイントはモーションコントローラーMoveに対応した事ではないでしょうか。
今作は一応ジャンル的にアクションゲームとして扱われていますが、ジャンプなどもありませんし、
某有名スタイリッシュアクション(悪魔を狩るあのゲームや忍者が血まみれになるゲーム)の様な骨太やり込み系の作品ではありません。
かと言って無双シリーズの様に大勢巻き込んで一気に倒すゲームでもない。

では何が面白いのか…それは他とは一線を画すモーションコントローラーでの操作と言えると思います。

wiiが発売された当初、「振る」という今までに無い操作が出来る様になった為、その行為を基本とするゲームが多く発売されました。
しかし、ノーモアではその流れに乗らず、「メイン攻撃はあくまでボタン」というシステムを採用。
この「敵の体力が減り、トドメを刺す時に振って倒す」というシステムは、馴染みある操作方法に程よいスパイスになっており、
無双系作品でないながらも爽快感のあるシステムに仕上がっていると思います。

しかし、惜しいのはやはり「ナビコンがモーションコントロールに対応していない」事。

ノーモアではプロレスマニアである須田氏の趣味で、ピヨリ状態の敵にプロレス技を掛けられる様になっているのですが、
wii版ではリモコン・ヌンチャク共にモーションコントロール対応だったので、両方を振って技を繰り出す仕様でした。
しかし、PS3ではヌンチャクに当たるナビコンがそれに対応しておらず、プロレス技はMoveだけで仕掛ける様に変更。
「らしさ」が薄れてしまった様な気がします。
それに加え、新たに追加されたバイトミッションの「手旗信号」はアイコンが左右2つ表示されるのに対し、振って反応するのはMoveだけなので、
勘違いしてナビコンも振ってしまい、バイトが成功しないという事例も続出。
ここはどっちかというとSCEへの不満になってしまうのでしょうか…勿体無い。

しかし、それ以外にも改善点はしっかりと有り、以前散々ボロクソに言われていた
「異常なまでに長い、下手するとフリーズしているロード」は半分以下にまで短縮。
更に、リトライなどでは一切ロードを挟まずに再開出来る場面もあり、前作での反省が活かされています。
その上「何故か街を経由してからの再開」という意味不明な仕様だったリトライもちゃんとミッション内部からの再開になり、
イライラする場面は相当減ったと言えるのではないでしょうか。
しかし、「一度受けたミッションはワープしてミッションを開始出来る」という便利機能を付けたにも関わらず、
バイクは放置されたままなので「バイクは電話で呼び出さなきゃいけない」という変なところで詰めが甘い仕様。
フリーミッションなどの元々のイラつく場面はさておき、改善された箇所でも新たに不満点が出る辺り、「あぁ…ノーモアだな」という感じです。
これぐらいの事ならアップデートで改善されればいいのですが…どうなるやら。

no-more-heroes-first-screens-3.jpg
本当にいろいろ惜しい部分や細かい粗が目立つシステムです…。

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ゲームシステムは7.2/10
粗は多いですが、リトライの仕様やロード、ミッションワープの改善点はやはり評価すべきところ。

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項目3と4は前作と全く変わらないので、前回のレビューを掲載します。

3.ストーリー

今作、と言うより須田ゲー全般の売りの1つが物語です。
様々な映画や小説、音楽等の影響を受けているのは感じられますが、その影響が斜め上の方向に展開していく、とでも言いましょうか。
決して王道ではないですし、あまりの展開に付いて行けない人も多いでしょう(須田ゲーがコアと呼ばれる理由です)。
しかし、一度ハマるとなかなか抜け出せないのもこの手のタイプの作家の味であり、根強く好まれる要因でしょう。

さて、今作は須田氏曰く「殺し屋成り上がり青春活劇」との事で、過去の須田作品に比べるとライトな内容になっています。
基本的には主人公"トラヴィス"とヒロイン"シルヴィア"を中心に物語が展開されます。
全米殺し屋協会"UAA"のエージェントであるシルヴィアの導きにより、サンタデストロイという片田舎に住む冴えない殺し屋トラヴィスが、
殺し屋ランキング上位のツワモノをなぎ倒し、全米1位の殺し屋を目指すという内容。
今作ではトラヴィスがゲーム上だけでなく、イベント上でも手榴弾を3発喰らって死ななかったり、地雷を踏んでも吹っ飛ぶだけという完全なギャグ演出が主。
更にはキャラクターが「販売停止になったら困る」というメタ発言をし、過去の出来事を早送りで喋るなど、イカれた内容になっています。
これと言って深い物語や設定がある訳でもないのですが、だからこそ気軽に楽しめるので、須田ゲー入門には最適かと思います。
(他作品は本編だけでは完全には楽しめない裏設定が多数)
エンディングも例に漏れずメタ発言満載で、最初から最後までぶっ飛んだ内容を楽しめると思います。

No-More-Heroes-Paradise-8.jpg
シルヴィア様から「殺すぞ、コラ」と言われる事も。

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ストーリーは9/10
楽しめる内容・演出とはいえ、ストーリーはあって無い様なモノなので少しばかり減点。

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4.キャラクター

物語と同等に魅力的なのがこのキャラクター達。
正にその言葉通り個性的なキャラクター達が数多く揃っています。

片田舎暮らしで日本のアニメと三池崇史監督作品をこよなく愛するオタクでスケベな殺し屋"トラヴィス・タッチダウン"
大胆な服装から垣間見えるセクシーボディで男を魅了する、「童貞には手の負えない」美人エージェント"シルヴィア・クリステル"

この二人を始めとし、敵対する事となるランカーの殺し屋も圧倒的個性派揃い。

モデル兼軍人でありながら殺し屋、義足から放たれるミサイルで敵を殲滅する文学少女"ホリー・サマーズ"
日本刀を武器とし、卓越した剣術と身のこなしで獲物を仕留める銀髪アフロヘアーの黒人女子高生"シノブ"
アメコミヒーローの様なコスチュームに身を包みながらも卑怯な戦法を悪びれもせずに使う"デストロイマン"
アルコール依存症、そして快楽殺人狂。バットを振りかざしたウェイトレス姿のイカれ金髪美女"バッドガール"

他にも様々なタイプのキャラクターが存在します。
これらのキャラクターがあってこその今作、これが気に入らなかった場合は多分…このゲームは合わないかも。
それだけ魅力的なキャラクター達です。
漫画家でありイラストレーターである"コザキユースケ"先生(代表作:漫画…烏丸響子の事件簿 デザイン…SPEED GRAPHER、VOCALOID2 SF-A2 開発コード miki)
のデザインもその設定を引き立たせる素晴らしいモノとなっていますし、続編のNMH2でも見事なキャラクターデザインが見られます。

前作で追加された、"Very Sweet Mode"は今作にも搭載。
これ等の女性キャラの更にセクシーだったりスポーティだったりするコスチュームを拝めます。

no-more-heroes-heroes-paradise001.jpg
トラヴィス・タッチダウン

No-More-Heroes-Paradise-7.jpg
シルヴィア・クリステル

no-more-heroes-first-screens-2.jpg
シノブ

No-More-Heroes-Paradise-6.jpg
ホリー・サマーズ

no-more-heroes-first-screens-4.jpg
バッドガール

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キャラクターは10/10
デザインも設定も個人的にはストライクで素晴らしいものでした。

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5.サウンド

グラスホッパー作品のゲームは楽曲も評価が高い事が多いです。
今作もそれは同じで、特にメインテーマは人気が高く、劇中では様々なアレンジを加えて使用されています。

メインテーマアレンジサンプル


私自身もこのメインテーマは非常に気に入っています。
これ以外の曲もなかなかクセになるモノが多く、全体的にクオリティは高いと思います。
ここから更にリミックスした楽曲が収録されたサウンドトラックもかなりの出来。

しかし、今作では一部ユーザーには残念な出来事が。
"英雄"での目玉要素の1つとして宣伝されていた豪華声優による「日本語吹き替え音声」が今作ではカットされています。
その理由としては、「今作は"英雄"の改良ではなく、wii版からの作り直しだから」との事。
個人的に前作のレビューでも述べた通り、あまりノーモアに日本語音声に必要性を感じなかったのでいいのですが、
それを楽しみにしていた人達も少なからずいるだけに、残念な気もしないでもないです。脇役の方々は好きでしたし。

+++

サウンドは9/10
個人的評価は変わらずですが、あったモノが無くなると「完全版」という気はあまりしませんね。

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総評

こうして振り返ると、「いくら改善されようとノーモアはノーモア」という感じです。
基礎部分にも大なり小なり不満点はある訳で、細かい部分を取り繕っても傑作にはなりきれない、という作品だと感じます。
そこをどうにかしようとするのであれば、もはや予算を掛けて大幅なリメイク作品にするしかないかな、と。
しかし、世界観に浸れるのであれば、その人にとっては良作足り得る作品だとも思うのです。
魅力的な部分は数多くあるだけに、「勿体無い」という言葉が悲しきかな。

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総評は7.8/10
"英雄"よりは遥かに遊び易くなっているのは確かですし、それを考慮すれば8点手前ぐらいまで行ってもいいかな、と。
しかし、これは「ノーモア」という世界観や設定が気に入った人間が付ける点数であり、そこすら合わなかった場合、
正直な話10点満点中1点を付ける人間がいてもおかしくないという程に人を選ぶ作品です。
そこが須田氏の作品がコア向けと言われる所以なのでしょうが…いい加減システム面では万人受けする作品を作ってほしいですね。

さて、タイトルで書いた「完全版?それとも…」という点について。
個人的には完全版…と言いたい所ですが、ナビコンのモーション非対応や日本語音声の削除を鑑みるに、完全版とは言い切れないかもしれません。
しかし、ノーモアとしての出来で言えば確実に最上位です。
もし気になっている方がいるのであれば、迷わずレッドゾーンエディションを買うべきでしょう。

最後に。
今作の初週売り上げは4万本を越え、今まで国内で出してきたノーモアシリーズ全ての初週売り上げを越えています。
願わくばこのままNMH2の移植に乗り気になってほしいものです。

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